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闘牛を知り尽くした島人が語る闘牛の魅力(第2回)
公開日時:2011/06/10 00:00
〔徳之島最大のイベント〕

徳之島の闘牛は、闘牛大会が開催されている各地の中で、「最も熱い!」と言われ一目置かれている。 その理由は、なんと言っても牛同士がぶつかりあう迫力と激しい技の攻防、勢子(せこ)、応援団、観客の 視線がその奮闘に注がれる一体感とともに、場内が熱気に包まれる事に尽きる。
闘牛大会には700kgクラスの小型牛から1トンを越える大型牛までが揃い踏みし、直径約20メートルのリング 内を所狭しとぶつかり合い、突きや角掛け、懐に飛び込んでの速攻など技の応酬を繰り広げ、その姿は牛= ゆっくり・のんびりというイメージを払拭して余りある程。加えて、闘牛大会には幼児から80歳過ぎの高齢 者まで、島内人口の一割を超える3,000人余りの老若男女が詰めかけ熱戦を堪能する。場内では勢子が牛と一 体となって愛牛を叱咤激励し、一挙手一投足に会場の視線が集まる。好勝負や激戦になればなるほど、指笛と ともに場内からの歓声も響き渡り、勝利の瞬間、声援を送っていた応援団がなだれ込み、手舞・足舞で歓喜の 踊りを繰り広げ、南国ならではの熱気に包まれる。
このように徳之島は「闘牛の島」としてPRしているものの、「闘牛」というとスペインの「闘牛」のように人 と牛が闘うものというイメージがいまだに強い。牛同士が闘うのは元々持つ縄張り意識から生じるもので、農 耕等で使っていた牛が闘う様子を見たことからから始まったと言われており、農耕を通じて人間と牛が係わり だした頃から自然発生的に行われていたと推測されている。
全国では現在、岩手県と新潟県、島根県の隠岐の島、愛媛県、沖縄県、そして鹿児島県の徳之島で「闘牛」が行 なわれている。


   


〔徳之島の闘牛の歴史〕

奄美における闘牛の歴史は古く、約400年前に薩摩藩の支配下に置かれた頃の記録が文献に残っております。サト ウキビ生産が厳しく統制される「砂糖地獄」に苦しめられた島民唯一の娯楽だったと言い伝えられている。
闘牛大会は戦前まで、牛主同士が相談し合い、島の行事が行われる際に川原や浜などに闘牛場を作り行っていた。 戦後、徳之島闘牛組合が設立され、組合規約を作り、入場料を徴収して運営されるようになった。昭和42年に徳之 島町、伊仙町、天城町の三町に闘牛協会が組織され、この三町の協会をまとめ「徳之島闘牛連合会」が設立された。
徳之島闘牛における最高峰タイトルは、横綱の中の横綱である「全島一横綱」。愛牛が横綱になり、「全島一横綱」 のタイトルを獲得することを夢見て牛主は日々飼育に励む。また現在の闘牛は体重差があるため、横綱に次ぐ980kg以 下を「中量級」、880kg以下を「軽量級」、780kg以下を「ミニ軽量級」として、それぞれタイトル戦が行われている。
   
〔現在の闘牛大会〕

初場所(1月)・春場所(5月)・秋場所(10月)の年3回、「全島大会」が開催され、徳之島町、伊仙町、天城町の各 町の協会が持ち回りで主催する。また、全島大会と前後した日やお盆には、牛主同士が出資して各地の闘牛場で闘牛大 会が行われている。
現在、徳之島には7ケ所の闘牛場があり、屋外の闘牛場から全天候型のドーム闘牛場まで約3,000人以上が収容可能。島 外からの観戦の方はバスでもよりの停留場まで行くことも可能だが、空港や港からはタクシーかレンタカーが便利。観 戦料は全島一大会が、大人3,000円、小人(中学生以下)1,000円、それ以外の大会は大人2,500円、小人(中学生以下) 1,000円が通例で、ほとんどの大会は小学生以下が無料となっておりますが、事前にご確認下さい。
闘牛用の牛は、地元徳之島産をはじめ県内・県外から多数導入され、それらの混血も進んでいます。代表的な産地として は、同じ鹿児島県内では十島村。県外では岩手産、隠岐の島産、沖縄県の沖縄本島、八重山や与那国産など広い地域から 導入されている。闘牛としてデビューするのは早くて3歳半からで4歳前後が多く、横綱級は7~9歳で、この頃が円熟期 と言われる。昔の牛は大きくても600~700kg前後だったとされるが、現在では大型化し、1トンを超える巨大な牛も増えて おり、全島一横綱を決めるタイトル戦は、1トンを超える大型牛同士の激突となっている。
試合の前日には、夕方から親戚、友人、知人がお祝いを持って牛主の家に集まり「前祝い」が開かれる。試合当日は、先 祖の仏壇に必勝祈願し牛の角に酒と塩をかけ、集まった一族や友人、知人にも同じ酒と塩を配り出陣の儀式を行う。入場 の際は、牛主もしくは勢子が綱を引き、露払いが塩を撒き、ラッパや太鼓を吹き鳴らし、「ワイド! ワイド!」(わっ しょいやばんざいの意味)の掛け声が闘牛場まで続く。
闘牛の勝敗は、相手が逃げた時点で決まる。時には相手を角で突き刺し、勝負ありと判定されることもあり、早い勝負で数秒、長引くと数時間闘うこともある。最近は、勝敗が決しそうにない場合は25~30分と制限時間を設け、観客の同意を得て 引き分けとしている。 勝ちが決まった瞬間、勝ち牛の牛主や応援団が場内になだれ込み、勝牛に飛び乗り、手舞い足舞い、 指笛で歓喜し、ラッパ、太鼓の音もひときわ高く鳴り響かせ、勝牛は誇らしげに場内を意気揚々と一周させられる。


   
以上が徳之島の闘牛の概略たが、闘牛には奥深い魅力と長年引き継がれてきた歴史があり一度にまとめるのは難しい。 今後数回に分けて闘牛の技や角の形など基礎的知識と闘牛文化について述べて行きたい。
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